扁桃炎とは
扁桃炎は、咽頭炎の中でもっともよく見られる扁桃の炎症です。
年齢を問わず起こり得る炎症で、高熱と痛みを伴います。中でも年に3回以上の扁桃炎が起こるものを、「習慣性扁桃炎」と呼びます。
原因と症状
原因
いわゆる「扁桃」と呼ばれているのは、口蓋扁桃です。口蓋扁桃は、口腔奥に位置するリンパ組織で、免疫機能と関係があります。鼻や口から侵入したウイルスや細菌から守ってくれるはずのものですが、抵抗力・免疫力が低下したときに感染・炎症を起こします。
原因となるウイルス・細菌の種類としては、ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルス、溶血性連鎖球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌などが存在します。
症状
- 扁桃の腫れ、痛み
- 発熱(38~40度の高熱になることも)
- 喉の痛みによって、口を開くのが辛い・食べ物が喉を通らない
症状がみられる場合
扁桃炎は、悪化すると扁桃周囲の組織が炎症・化膿してしまう「扁桃周囲炎」を起こし、食事の摂取が難しくなります(口が開かない、喉を通らない)。
点滴治療などが必要になることもありますので、症状が見られたら速やかに受診されることをお勧めします。
治療方法
感染と炎症をコントロールすることが重要です。症状が扁桃の腫れだけなのであれば、基本的に手術の必要はありません。消炎鎮痛剤や抗生物質を使用して症状の改善を目指します。
手術の検討が必要になるのは、息が詰まったり、苦しくて眠れなかったり、食事が普通にできないなど、あるいは扁桃炎によって滲出性中耳炎を繰り返す場合など、日常生活や健康に著しい支障をきたす場合です。
治療期間
症状の強さ、治療法の選択によって異なります。
扁桃炎の予防方法
ウイルスや細菌が侵入したときに、免疫機能を正しく働かせるため、普段からの体調管理が重要です。
免疫力を高めるビタミンC、抗炎症作用のあるビタミンEをはじめ、栄養バランスのとれた食事を大切にしましょう。
疲労やストレスともうまく付き合わなければなりません。疲れたら休む、ストレスを感じたら楽しむという当たり前のことが難しいのが現代社会ですが「あとちょっとだから我慢しよう」の日々の積み重ねは、やはり心身にダメージを残します。
周りが頑張っているから、というのは基準にはなりません。ご自身の基準を大切にして、「休む」時間をしっかりと確保しましょう。