咽喉頭異常感症とは
咽喉頭異常感症とは、喉に異常(感)が生じる病気です。貧血などを身体の不調によって、ストレスなどの心因性のものによって、あるいはその両方を原因として起こります。
がんへの不安による咽喉頭異常感症
心因性のものとしては「がんへの不安」もこの病気を引き起こすことがあります。がんだったらどうしよう、という不安を抱えているときに、何でもない喉の違和感にたまたま気づき、気になっているうちに「喉のがんに違いない」と思い込み、喉の違和感が消えなくなります。不安を抱えていることで喉が乾き、さらなる悪循環へと陥ってしまいます。
逆に言えば、不安を取り除くことでその循環を断ち切ることができます。一度の受診でなかなか安心できないかもしれませんが、患者様のご希望があれば、定期的な経過観察を行いますので、まずは受診・検査にいらしてください。
原因と症状
原因
局所的な原因
- 喉の過敏
- 喉の乾燥、乾燥による炎症
- 舌根扁桃(誰にでもあるものです)が、何かのきっかけで気になり始める
- 疾患(慢性咽頭炎、慢性扁桃炎、逆流性食道炎、慢性気管支炎、甲状腺の病気、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など)
全身的な原因
- 鉄欠乏性貧血
- 自律神経失調症
- 更年期障害
- 糖尿病
精神的な原因
- 日常生活でのストレス
- 不安神経症
- うつ病
- がんへの不安
症状
- 喉がイガイガ、チクチクする
- 喉のかゆみ、違和感
- 喉の締めつけ感
- 異物感
症状がみられる場合
がんを含め「喉に何かできている気がする」という場合には、できるだけ早くご相談ください。
異常があれば適切な治療が必要になりますし、もし異常がない場合(心因性)であっても、「異常がない」と診断を受けることで安心できます。
もちろん、一度診てもらっただけで不安がすべてなくなるというわけではないでしょうから、経過観察として定期的に受診していただければと思います。少しずつ不安を解消していくつもりでいる方が、気持ちも楽になります。
治療方法
咽喉頭異常感症の治療においては、明らかに原因となっている疾患がある場合には、そちらを優先した治療を行います。
心因性のものであれば、不安を取り除くお薬の服用をしていただきます。
炎症が原因である場合には炎症を抑える薬を、アレルギーを原因とする場合には抗アレルギー剤の投与なども行います。また、漢方を使用することもあります。
喉のがんに対する不安がある場合には、定期的に検査を受けていただき、異常がないことを確認していくことが大切です。
治療期間
ストレスやがんへの不安を原因としている場合には、症状が改善するまでに時間がかかることもあります。焦らず、ゆっくりと治療していきましょう。
咽喉頭異常感症の予防方法
生活習慣の改善は元より、ストレスを溜めない生活を送ると良いでしょう。
日中の仕事などで適度な緊張感を持つことそれ自体は、ストレスの蓄積に直結しません。むしろ、夕方から就寝までの時間帯において心身のリラックスできるかどうかが重要です。
仕事の日であっても休日であっても、「昼間は活発に、夜はリラックスして」というサイクルを作ると良いでしょう。
また、無理なダイエット行わないことや乱れた生活習慣を正すことも重要になります。
喉に限ったことではありませんが、定期的に健康診断、人間ドックの検査を受けることでご自身の身体の状態を知っておくことも大切です。不安なまま時間だけが過ぎていくのは、たとえ異常がなかったとしても、心身の健康に悪影響を及ぼします。