メニエール病とは
メニエール病は、めまい、吐き気、耳鳴り、難聴などを繰り返す病気です。症状の現れる時間の長さは数十分から数時間とさまざまで、一度のみの単発性のものもあれば、頻発するものも存在します。
メニエール病は、厚生労働省の指定する難治性疾患のうちの1つです。
原因と症状
原因
中耳の奥、「内耳」にある「内リンパ液」は、私たちが普段何気なく行うさまざまな動作に応じて平衡感覚を保つ役割を果たしています。
メニエール病では、内耳において「内リンパ水腫」という水ぶくれに似た状態が起こっており、その結果、内リンパ液の調整が正常に行われず、平衡感覚のズレが生じ、めまいや吐き気・難聴などの症状を引き起こします。
内リンパ水腫が生じる根本的な原因は、未だ明らかになっていませんが、ストレス、睡眠不足、過労などが原因などではないかと言われています。
症状
メニエール病の特徴的な症状は、視界がぐるぐる回るような、回転性のめまいです。またこのめまいが比較的長く(20分以上)続く傾向があり、その後一旦収まりますが、再度起こる特徴があります。
めまいが長時間続くことで、吐き気や嘔吐などの症状が誘発されます。
- めまい
- 吐き気、嘔吐
- 耳鳴り
- 難聴
- 耳が詰まったような感じ
メニエール病は治る病気なのか
生活習慣の見直しと投薬だけで症状が大きく改善する例もありますが、たとえ手術を受けたとしても、根本的な原因が分かっていないこともあり、100%治るとは言い切れません。
生活習慣の改善、投薬、そして場合によっては手術によって、包括的な治療を行うことが大切です。
なりやすい年齢
30~40代の働き盛りの方に多く見られ、どちらかというと女性の割合が高い病気です。
ただ、近年はご高齢の患者様も増えております。
治療方法
生活習慣の改善
第一に、食事、睡眠、運動などの生活習慣の見直しが必要となります。
「ストレス解消のため」と意気込んで趣味を見つけたり遊んだりするのも良いですが、生活習慣を正すだけで大きくストレスを軽減できることがあります。よく食べ、眠り、適度に運動することで、これまでストレスだと感じていた問題が、意外に気にならなくなることは珍しくありません。
また、運動の中でも特に有酸素運動を行うことで、症状の改善が期待できます。
投薬
イソソルビドという浸透圧利尿剤、メニレットゼリーなどの内服で、内リンパの正常な働きを促します。また、「発作が起きたらどうしよう」と常に不安を抱えていることそのものが発作を誘発してしまうため、抗不安薬などを処方することもあります。
手術
生活習慣の改善や投薬治療を行っても症状が治まらない場合、手術を検討する必要があります。
内リンパ嚢開放術
中耳の側頭骨を切り開き、内リンパ嚢を切開して内リンパ液を排出し、内耳の圧迫を取り除く手術です。
治療期間
症状の程度、また治療法の選択によって異なります。
メニエール病の予防方法
普段から生活習慣に気をつけましょう。バランスのとれた食事、しっかりとした睡眠、そして年齢や身体の健康状態に合わせた適度な運動が有効です。(特に有酸素運動)