鼻の仕組みについて
鼻の中(鼻腔)は左右それぞれ、側壁から3つの鼻甲介(骨)が張り出しており、上から「上鼻甲介」「中鼻甲介」「下鼻甲介」が並んでいます。
鼻腔粘膜レーザー焼灼術では、このうちの鼻の穴の入口にもっとも近い「下鼻甲介」の粘膜をレーザーで照射します。
鼻腔粘膜レーザー焼灼術とは
鼻腔粘膜にレーザー照射を行うことで、アレルギー性鼻炎の症状(鼻詰まり、鼻水、くしゃみ)を改善する方法です。
通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎のいずれのアレルギー性鼻炎にも効果が期待できます。照射のリスクや後遺症がなく、痛み・出血もほとんど見られないため、「粘膜下下甲介骨切除術」より軽いご負担で受けていただける治療です。
レーザーの効果は、1年程続きます。
※「粘膜下下甲介骨切除術」は切開を伴う手術ですが、下甲介骨を取り除き構造的に症状を改善する方法ですので、アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎などの症状を抑える効果が生涯続きます。
適応される病気について
アレルギー性鼻炎
風邪とは異なり、アレルゲンを原因として、鼻詰まり、鼻水、くしゃみなどの症状が現れる鼻炎です。
ダニなどのアレルゲンによって一年中症状が現れる「通年性アレルギー性鼻炎」と、花粉などのアレルゲンによってある季節に症状が現れる「季節性アレルギー性鼻炎」に分かれます。
治療方法
局所麻酔の上で行われます。
鼻腔粘膜に安全なレーザーを照射し、粘膜下の反応の抑制を促し、鼻詰まり、鼻水、くしゃみといった症状の改善を目指します。レーザー照射は15~20分ほどで終了します。
多田耳鼻咽喉科医院の、レーザー治療へのこだわり
一般的なレーザー治療では、裸眼で見える範囲の焼灼が行われますが、当院は内視鏡を用いて、手前から奥までしっかりと焼灼します。
焼灼ができていなければ、当然その部位は以前の粘膜のままですので、症状が現れやすくなるようです。
手術後の注意点
- 効果は約1年です。
- 手術直後は、鼻粘膜が軽度のやけどの状態となり、2~3日はむしろ鼻水が多くなります。また同時期には鼻水に血が混じることがありますが、少量であれば問題ありません。
- 手術後、粘膜にかさぶたができますが、2週間ほどすると薄くなってきます。4週間ほど経過すると、正常な粘膜が再生します。