【耳鼻咽喉科専門医師が教える】私はハナクリーンSをこのように活用している
■鼻洗浄器具について
当院では副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の患者様に対してご自身で手軽に鼻洗浄(鼻うがい)ができる東京鼻科学研究所というメーカーのハナクリーンSという洗浄器具をお勧めしております。このメーカーからはハナクリーンα、ハナクリーンEXという機種も販売されておりますがハナクリーンSの最大の特徴は構造が単純で他の機種のようなポンプ機能がないためまず故障することがなく、気軽に扱えることと価格が安い点です。私は8年前に購入したハナクリーンSをいまだに活用しております。ちなみに私はアレルギー性鼻炎があり、アレルギー検査ではハウスダストとダニに中等度の反応があり、スギとヒノキにも若干反応があります。花粉に対してはあまり症状が出ないですがホコリを吸ったり、温度変化などでくしゃみや鼻水が止まらなくなることがあり、その際、抗アレルギー剤やハナクリーンSのお世話になっています。
■鼻洗浄の期待できる効果
鼻洗浄の効果は鼻粘膜の加湿、加温、膿性または粘調な鼻汁の排出などといわれておりますが、学術的な報告は置いておいて、私自身で行っている印象でも鼻詰まりはかなり改善しますし、ねばい鼻水は洗浄でかなり洗い流されるのと洗浄後の鼻かみでかなり排出されますのでかなり鼻がすっきりします。アレルギー性鼻炎の際の鼻症状や風邪ひきによる鼻症状など原因にかかわらず効果があるように思います。
■ハナクリーンSの活用方法
当院を通院されている皆様もすでにご活用されている方は多いと思いますが、中には購入はしたが面倒で活用されていない方や洗浄中、洗浄後の鼻の痛みなどの不快感、洗浄液が後から鼻やのどに排出されてくることなどがネックになり使用を中断されている方もおられると思います。それらの方々に対してまずは私がどのように活用しているのかをお示しして参考にしていただければと思います。
私が8年前に購入したハナクリーンSです。その当時まだ週に1度勤務していた寝屋川の小松病院に隣接する調剤薬局で購入しました。使用頻度は平均すると月に数日程度ですので外観もまだきれいです。感覚的にはこのペースで行くと半永久的(生涯!)に使用できるのではないかという感じがします。
使用説明書の中には100度の熱湯と水を混ぜて約40度のお湯を作ることになっており、親切にもここまで熱湯を入れてここまで水を入れると40度のお湯ができるというラインまで器具に刻印されておりますが、熱湯を作るのが面倒なので給湯器の水温を45度に設定し、約1分間流しっぱなしにすると大体40度ぐらいのお湯が出てきますのでそれを使用しております。ちなみに私は通常は少し放置して本体についている水温計で38度の温度に下げてから洗浄しております。この温度は推奨されている40度から42度よりやや低いですが最も刺激が少ない印象です。
洗浄器具購入時には洗浄液を作る薬剤「サーレ」が10袋付属しておりますが、無くなった後は塩を使用しております。私は当院の最寄り駅である住ノ江駅の下にあるイオンで購入した塩を使用しておりますが、なんでもよいと思います。これを小匙1/3杯、約1.5gを容器に入れ、よく振った後に洗浄します。この時によく振るのがかなり大切で、濃度が均一でなく薄い部分が残ると洗浄時には鼻に強烈な痛みが襲い掛かります。ねぼけて振らずに洗浄するとその時の痛みで眠気がぶっ飛びます。痛みは私の場合翌日まで続き結構うっとうしいので必ず良く振ってから洗浄しますが、時々忘れたころにやらかしてしまいます。
塩はラップに数十グラム包んで取り出しやすいところに置いておいて、そこから使用しております。塩を台所から取り出すのは面倒ですので手間がかなり軽減されるように思います。塩や小匙、ハナクリーン本体などは一か所にまとめておいた方が活用しやすいですね。
■実際の洗浄動画
実際の洗浄は動画の様に右鼻から入れて左鼻から出し、左鼻から入れて右鼻から出すという具合に左右交互に洗浄を2回ずつ、計4回行っております。この時、器具を最大限に押さえると大体3回で洗浄液が無くなりますので1回の量を少し少ない目に洗浄し4回洗浄しております。
鼻洗浄後は器具を洗いますが水洗いでざっと洗い、器具内に水を貯めて噴出させることによりチューブの内部も洗浄します。洗浄後は拭けるところはティッシュで拭きますが器具の内腔やチューブの内部は自然乾燥です。これで今までカビが生えるなどのトラブルに見舞われたことはありません。
大体鼻洗浄に係る時間は約5分程度です。
私の鼻洗浄の流れをご覧いただきましたが、如何でしょうか?皆様のご参考になれば幸いです。また、皆様の洗浄方法や活用方法に関しても何かご意見やご提案などあればメールででも診察の際にでも教えていただければと思います。
ハナクリーンを活用し快適な鼻をゲットしましょう!