■副鼻腔炎とは
鼻や目の周囲には副鼻腔という空洞がいくつかあり、顔面や脳のなどの重要な臓器を保護するためのクッションの役割や声を響かせたり、異物、ウイルスや細菌の排除などの役割を果たしております。副鼻腔は目の上にある前頭洞、目と目の間にある篩骨洞、目の下にある上顎洞、上顎洞や篩骨洞の裏側にある蝶形骨同に分かれておりそれぞれの空洞にはそれぞれ出入口がありその出入り口を通して空気が出入りしたり空洞内の粘膜から分泌される粘液を排出することで空洞の内部に空気が充満したきれいな状態に保たれています。
ところが風邪やアレルギーなどの炎症により空洞の出入り口の粘膜が炎症を起こし腫れると出入口が狭くなり空気の出入りや粘液の排出がしにくくなり、さらに鼻の中で細菌の感染がおこると空洞内部に膿が貯まり、その結果さらに粘膜の炎症が強くなり出入口がさらに強くふさがってしまい膿が出にくくなる言う具合に炎症が長引くサイクルに陥ってしまいます。
■副鼻腔炎の症状
単なる風邪による鼻炎の場合は1週間から10日ぐらいでのどの痛みなどの風邪症状の改善に伴って鼻詰まりや鼻汁などの症状が改善することが多いですが、副鼻腔炎が加わると風邪症状が改善後も鼻水や鼻詰まりなどの症状が続くことになります。
特に急激に炎症が強くなり副鼻腔内に膿が急にたまってきた場合たまってきた膿が副鼻腔の壁を圧迫することで頭痛や顔面痛の原因となります。
この貯まった膿の量は一定ではなく膿が増えると膿の圧力により狭くなった副鼻腔の出入り口から膿が排出するため少し疼痛が改善し、また膿が増えると痛みが増すという具合に時間帯によって疼痛が悪くなったり、改善したりすることがあります。
また、歯の根っこの化膿性の炎症が原因で副鼻腔炎を来す歯性上顎洞炎の場合は風邪の症状がなく代わりに歯痛などの歯の症状を伴って頭痛を来す場合もあります。この場合は左右のどちらか歯が悪い側に痛みが出ることが多いです。
副鼻腔炎に伴う頭痛は膿が貯まっている副鼻腔の部位に一致して疼痛が現れる場合があり、上顎洞の場合、頬っぺたや歯の痛み、前頭洞の場合はおでこの痛み、篩骨洞の場合は目と目の間やこめかみの痛み、蝶形骨同の場合は目の奥の痛みなどを来す場合があります。ただ、複数の副鼻腔に炎症を来してる場合は部位がはっきりしない場合もあります。
以上の様に風邪症状やアレルギー性鼻炎の症状、特に黄色い鼻水や鼻詰まりなどの鼻症状を伴う場合や歯痛などの歯の症状を伴う場合、頭痛の原因は副鼻腔炎の可能性がありますので、このような場合はまず耳鼻咽喉科医を受診して副鼻腔炎の診断を行う必要があります。